FP2級に不合格!失敗から学んだこと、合格のコツは?
- FP2級と3級、何が違う?
- FP2級の試験は難しい?合格のコツは?
- FP2級の勉強時間はどれくらい?
- FP2級を取ってよかったことは?
このような疑問を抱えていて、FP2級を受けようかどうしようかと悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私がFP資格を取ろうと思ったのは、お金の知識ほぼゼロで老後資金の準備ができるのか?と不安になったことがきっかけです。2級まで取得できれば、社会保険、年金、所得税、生命保険など日常生活に役立つこともさらに増えるだろうと期待し、2級と3級、両方の取得を目指しまして、50歳のとき、勉強時間150時間(1カ月半)で3級試験に一発合格することができました。そして2級試験に挑戦!結果は不合格です(泣)
本記事では、試験を2回受けた私の失敗談を交えながら、2級試験の勉強方法や勉強時間、合格のコツなどについて紹介していきます。
FP2級と3級、何が違う?
出題範囲の違い
2級と3級の出題範囲は基本的に同じではありますが、2級のほうがより実務的で詳しい内容の分野も含まれる点です。
3級では、個人のプランニングのみが出題範囲とされていますが、2級では法人のプランニングも含まれるようになります。さらに3級では、確定拠出年金の仕組みが出題範囲ですが、2級ではその運用や給付なども範囲に加わります。
【キャリカレ】FP(ファイナンシャルプランナー)2級試験に必要な受験資格とは?
3級が、基本的な知識や概要を問われるのに対して、2級はより詳しい専門的な内容を問われるという違いがあげられます。
合格率・難易度の違い
合格率・難易度は、2級と3級の間で大きな差があります。
2022年5月に実施されたFP試験で、FP3級の学科試験の合格率は約83%、実技試験の合格率は約90%でした。一方のFP2級は、2022年5月の試験で学科試験の合格率約49%、実技試験の合格率約62%と、3級の半分程度の水準となっているのがわかります。
【キャリカレ】FPは独学で合格可能?注意点やメリット、デメリットまで徹底解説!
出題形式の違い
2級と3級の出題形式を以下の表にまとめました。
試験種類 | 2級 | 3級 | |
---|---|---|---|
学科 | 出題形式 | 筆記(マークシート形式) | 筆記(マークシート形式) |
問題数 | 60問(四答択一式) | 60問(○×式と三答択一式) | |
試験時間 | 120分 | 120分 | |
時間配分 | 2分 | 2分 | |
実技 ※「資産設計提案業務」の場合 | 出題形式 | 筆記(記述式) | 筆記(マークシート形式) |
問題数 | 40問 | 20問 | |
試験時間 | 90分 | 60分 | |
時間配分 | 2分15秒 | 3分 |
2級の実技は記述式になるので、マークシートで選択式の3級のときのように勘が当たって運よく正解になる確率も低いと思います…。そして時間配分は、合格のための重要なポイントとも言えるでしょう。
- 学科は2級と3級、どちらも時間配分は2分と変わりませんが、2級の解答は選択肢が4つあり、しかも文章が難しいので、予想以上に時間がかかります。問題冊子のページ数でいうと、3級の10ページ程度に対して、2級は24ページ程度になり倍以上のボリュームとなります。
- 実技の時間配分は、3級の3分に対して、2級は2分15秒と少なくなります。さらに、1問あたりの情報量が多く、問題文・資料を上から下までじっくり読んでいたら2分15秒では足りないこともあります。問題冊子のページ数でいうと、3級の18ページ程度に対して、2級は37ページ程度でこちらも倍以上のボリュームです。
【受検1回目】勉強時間について
3級受検後に自己採点をして、ぎりぎり合格したかも!と思ってはいたのですが、燃え尽き症候群のようになりまして、ひと月ほど勉強を中断していました…
2023年1月22日の2級試験に向けて、2022年10月9日から勉強を再開!実技は3級と同様、日本FP協会の「資産設計提案業務」を選びました。
【勉強期間】
10/9~1/21 約13週間
※12月上旬にコロナウィルスに罹り、2週間ほど中断してます
【勉強時間】
・月~金で 約3時間 × 13週⇒ 約 39時間
・土、日で 約8時間 × 13週⇒ 約104時間
合計 約143時間
キャリカレの教材について
3級に引き続き、キャリカレのFP講座を利用して勉強しました。
キャリカレの通信講座では、以下の紙教材を使用しました。
紙教材の種類 | 内容 | |
---|---|---|
テキスト 6冊 (科目ごとに1冊) | 基礎学習。映像講義と連動した内容。 重要ポイントを絞ってコンパクトに纏めているのでボリュームは少なめ | |
1 | タックスプランニング | 所得税のしくみ、10種の所得の内容、青色申告など |
2 | 相続・事業承継 | 法定相続人と法定相続分、相続の承継と放棄、遺言と遺留分など |
3 | ライフプランニングと資金計画 | 住宅取得資金設計、教育資金設計、社会保険制度の基礎知識など |
4 | リスク管理 | 保険制度の基礎、生命保険の制度としくみ、生命保険商品の特徴など |
5 | 金融資産運用 | 経済の基礎知識、金融市場の基礎知識、貯蓄型金融商品など |
6 | 不動産 | 不動産の価格、不動産の取引、借地借家法など |
問題演習 1冊 | 科目ごとに100問 | |
添削問題 1冊 | 各級の学科試験の出題形式に沿った問題。科目ごとに20問 | |
実技演習 1冊 | 各級の実技試験の出題形式に沿った問題 ※きんざいの2級実技試験は「個人資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」を掲載 | |
模擬試験 1冊 | 各級の学科・実技試験の出題形式に沿った問題 ※きんざいの2級実技試験は「個人資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」を掲載 |
紙教材には動画教材も用意されており(添削問題は動画なし)、講義形式で丁寧にわかりやすく解説されています。試験対策のポイントや解答のコツなどのアドバイスもあり、紙教材だけでは理解しづらい箇所も疑問を残すことなく学ぶことができます。
【受検1回目】勉強の進め方について
- 3級の勉強の時に、基礎学習は一回ざっと目を通した程度にはなりますが終えていたので、まずは添削問題から始めましたが、問題が難しくて、キャリカレの教材だけでは解答できそうにありませんでした。
そこで、市販のテキストを1冊購入しました。せっかく購入したので、1科目ずつざっと目を通してから添削問題に取り組むことにしましたが1科目分ざっと目を通すのにも3時間ほどかかるくらい情報量は多いです。
添削問題は20問を2~3時間程度で解答できるレベルだったので、1科目に約6時間かかるとして6科目分繰り返して36時間、さらに、後日 復習もしていたのでそれにかかった分、約10時間を追加すると合計46時間ほど添削問題に時間をかけました。
『うかる! FP2級・AFP 王道テキスト』
日経BP 日本経済新聞出版
計算式の具体例も多く、考え方や解説が分かりやすいです。欄外説明の「間違えやすいポイント!」「ココが出る」の箇所からも出題されていました。
※キャリカレ教材の補足、不明点を確認するためのサブ教材的に利用しました。
※写真の付箋はなかなか覚えられない箇所に貼って、復習していました。
※購入される場合は、試験に対応している最新版を購入してください。
- 問題演習は3級の勉強のときに終えていましたが、復習も兼ねて再度取り組みました。1科目約2時間として6科目分繰り返し、合計12時間ほど問題演習に時間をかけました。
- 残りの約85時間( 143時間-(46時間+12時間) )で、模擬試験と実技演習をこなしました。解説の動画も視聴しながら、正解出来ない箇所は何度も復習して、じっくり時間をかけて取り組みました。時間配分のことは全く気にも留めず…
模擬試験と実技演習に時間をかけて、しっかり勉強した気になっていましたので合格する気満々で試験当日を迎えたのですが…
【受検1回目】不合格…敗因は時間配分のミス
結果は学科が合格で、実技が58点で不合格でした。
実技は4問ほど解答欄を埋めることもできなかったし、敗因は完全に時間配分のミスです。
3級のときは、学科は終了時間の20分ほど前に、実技は10分ほど前に終了できていました。
2級もその感覚で時間配分のことを全く意識せず受検してしまいまして、実技では開始早々に問題冊子のページ数の多さに焦り、終了30分前の時点で4割強が未解答だったので軽くパニックになりました。
合格点にわずかに届かず不合格…。しかし、自己採点では52点だったので思いのほか点が取れていて少し驚きました。2回目、頑張ります(泣)
【受検2回目】勉強時間について
1回目受検後の自己採点で不合格確定だったので… 2回目に向けて早めに準備することにしました。
2023年5月28日の2級試験に向けて、2023年1月29日から勉強を再開。
1回目で学科は合格したので、2回目は試験免除制度により、実技のみの受検です。
【勉強期間】
1/29~5/27 約17週間
【勉強時間】
・月~金で 約3時間 × 17週⇒ 約51時間
・土、日で 約4時間 × 17週⇒ 約68時間
合計 約119時間
【受検2回目】合格のコツは?勉強の進め方について
- 時間配分を意識する
- 過去問に慣れて解き方のコツを掴む
この二点が2級の合格のコツとも言えるでしょう。
1回目の失敗を教訓に、2回目は時間配分を意識しながら、できるだけ多くの過去問を解くことに注力しました。
キャリカレ教材の模擬試験と実技演習を再度利用しましたが、今度は解説の動画を見ながらじっくり解くのではなく、時間を計りながら1問あたり2分以内で解答できるよう練習しました。
FP試験は過去問と類似の問題が多く出題されるので、できるだけ多く過去問を解いて問題パターンに慣れたほうがよいと思います。2級の実技は1問あたりの情報量が多く、問題文・資料を上から下までじっくり読んでいたら2分15秒では足りないこともあります。問題に慣れて解き方のコツが分かれば、問題文や資料の隅々に目を通さなくても解ける場合もあるかと思います。
キャリカレ教材のほかに、【FP2級ドットコム】という無料の学習サイトを利用しました。
10年ほど前まで遡って過去問がすべて掲載されており、無料で解くことができます。しかも解説付きです!無料のユーザ登録で学習履歴を管理することもできます。
FP2級ドットコム
【受検2回目】合格!勉強時間の合計は260時間
2回目の試験は全て解答できましたし、ぎりぎりですが終了時間の30秒くらい前に終了!無事に合格できました!
2級は、150時間から300時間ほどの勉強時間が目安だと言われています。
私の場合は、1回目・2回目の合計で約260時間でした。1回落ちてますし、ちょっと余計に時間がかかってしまった感じはありますが、勉強期間は約7カ月、会社勤めもしていますし、余裕をもって無理なく取り組めたので逆によかったと思っています。3級のときの1カ月半で150時間はなかなかハードスケジュールでしたので…
FP2級を取ってよかったことは?
2級は、3級と比べればより詳しい専門的な内容を勉強しますが、深く専門的な知識を身につけるまでには至らないです。習得できるのは広く浅い知識ではありますが、それでも、日常生活の中で2級の勉強が役に立っていると感じることがあります。
- 投資信託を始める
- 生命保険を見直す
一つ目の「投資信託を始める」ですが、昔から投資というとギャンブルのイメージしかありませんでしたが、金融資産運用の勉強を通して、投資はギャンブルで危険のような先入観はだいぶ薄れ(完全になくなってはいませんが…)、挑戦してみたいと思うようになりまして、投資信託を始めました。比較的安全性が高いと言われているものですが…。2級の勉強をしていなければ、この先もずっと投資に興味を持つことはなかったと思います。
二つ目の「生命保険を見直す」ですが、リスク管理の勉強を通して、特に保険証券の内容を読み取る問題を多くこなしたおかげもあって、自分自身の生命保険の保障内容を理解できるようになりました。
厳密に言えば、何十年ものあいだ、保険会社が勧めるプランを言われるがまま受け入れて、保障内容など全く気にしていなかったのですが、よくよく見てみると不要な保障もあることに気づき、見直すことにしました。2級の勉強をしていなければ、自分の保険の保険証券を見ようとも思わなかったに違いありません。
まとめ
FP2級は、3級と比べればより詳しい専門的な内容を勉強すると言えど、習得できるのは広く浅い知識です。
広く浅い勉強ならば、市販のテキストを読むだけでもよかったかもしれませんが、お金の知識なし・算数嫌い・計算が苦手な私が、お金に関する情報ばかりで数字だらけの分厚い本を読み始めたところで、すぐに挫折していたに違いありません。はじめにキャリカレの映像教材で基礎学習を視聴して、全体をざっくり把握できたこともよかったかもしれません。
また、過去問をたくさん解いてきましたが、所得税・社会保険・年金・資産運用・不動産・相続問題など日常生活に役立つテーマも多いので、自分自身のことに結びつけて考えることで興味を持つこともできました。
FP資格を取ろうと思ったのは、お金の知識ほぼゼロで老後資金の準備ができるのか?と不安になったことがきっかけでしたので、習得した知識を活かして、少しずつでも老後資金の準備を始めていきたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございます。本記事が少しでもお役に立ちましたら幸いです。